製油会社の工場の脱臭装置棟と電気室の新築工事を担当しました。今までは上司や先輩と一緒に行う改修工事が中心でしたが、5年目になって初めて一人で任された新築工事なので、不安もあります。でも、わからないことがあれば別の現場で働く先輩や上司に確認して、解決するようにしています。今のところ大きなトラブルもなく、順調に進んでいます。

難しい点は、「段取り」です。24時間体制で稼働している工場の中で作業をしていますので、現場のすぐ前にある道路を常時フォークリフトが行き来しています。トラックで資材を搬入する時には、その区間を通行止めにしないといけないため、工場の人と事前に連絡を取って、「この時間からこの時間まで通行止めにしてください」とお願いしたり、大きい機械を搬入する場合は、工場がお休みの土日にして工場の稼働に支障をきたさないように、スケジュールを調整することが難しかったです。

また、現場が海に近い場所にあるので地下水位が高く、土台を作るために掘削を行うと水が湧き出てしまいます。水が湧き出ると、水中ポンプを何台も用意しないといけません。そこで工事を行うエリアの外周にシートパイルを打ち込む土留め工事を行うことで湧き出る水を減らし、雨が降っても水中ポンプのある場所に雨水が流れていくようにすることで少ないポンプで水を汲み出せるようにしました。そして、脱臭装置棟とボイラー室がすぐ近くにあり、2つの建物は別のため、基礎をしっかり分けないといけません。ところが隙間はわずか数センチだけ。普通に型枠を組んでコンクリートを流すと、流し込んだコンクリートが外側に膨れてしまって隙間がなくなってしまうこともあり得ます。2つの建物の土台を別々に作れば問題は起きなくなりますが、二度手間になり、時間もかかってしまいます。そこで、ガッチリ補強をしてしっかり隙間を確保できるようにしました、型枠工事業者さんの人やコンクリートを流す業者さんの人たちと事前にしっかり打ち合わせを行い、脱臭装置棟とボイラー室の両方の基礎作りを一度で行うことで、工期短縮を実現し、図面通りの隙間にすることができました。

そうです。電気室を建てる時も、床を二重にしてその間に配線を通すフリーアクセスフロアにしたのですが、二重になる上の床は制御盤を設置した後に張らないといけません。ところが、制御盤を製作している会社は3社あり、建物が狭いため、3社が同時に設置工事を行うスペースの余裕がありません。早く床を作りたいので、それぞれの会社に「何日までに納入してください」と交渉しました。でも、制御盤の完成が遅れて、納期に間に合うかどうか、ヒヤヒヤしました。

また、制御盤が入っているため、万が一雨漏りしてしまうと漏電してしまう恐れがあります。そこで屋上防水の納まりを工夫したり、金属製の笠木を付けたりして、たとえ雨水が建物内に入ってきても、室内に留まらず、外へ抜けていくように工夫しました。このやり方は上司に考えてもらったのですが、現場で職人さんに説明すると、「そこまでしなくても…」と言われました。しかし、大切なことですし、完成後も何十年と使う建物ですから、たとえ手間がかかっても妥協してはいけないと思い、きちんと説明をして、やってもらいました。そういう私たちの思いを職人さんたちにしっかり伝えることも、施工管理を行う私たちの重要な仕事だと思っています。

現場監督だからといって、上から言うのではなく、私たちは職人さんたちにお願いする立場なので、同じ建物をつくる仲間という気持ちで接するようにしています。そして、「工事は順調に進んでいますか？」という具合に、ささいなことでも自分から職人さんたちに声をかけるようにしています。そうしていると、職人さんたちとも仲良くなり、親切にしてもらえます。

現場監督と、様々な専門工事を行う職人さんたちと立場は違いますが、一緒に建物を造るという同じ気持ちで打ち込めるような雰囲気作りを心がけています。

まだＲＣ造（鉄筋コンクリート造）の新築工事を担当したことが無いので、経験してみたいですね。大宗建設では様々な工法の建物を建てているので、特定の建物や工法だけでなく、いろいろな経験ができます。どんな建物でも建てられるように成長することが目標です。

また、現在二級建築士の資格を取りましたが、一級建築士の受験資格を得たら、挑戦したいと思っています。大宗建設では、高校卒も大学卒も同じラインからスタートでき、年齢や学歴に関係無く、「どれくらい仕事ができるのか」で評価してもらえます。22歳での若さで一つの現場を任されるから、やりがいは大きいですよ。