現場レポート

Sクリニック 増築工事

図面

どんな点に苦労しましたか?

既設のクリニックの部分は、20数年前に当社が建てたものです。その建物に満足いただいたことから「隣りの土地を買ったので、そこに増築したい」という依頼が来て、私が担当することになりました。一番苦労したのは、既存の建物と新築の建物をつなぐエキスパンジョンという部材の施工。地震が起きた際、既設と新設2つの建物は別々の動きをしますが、そうなっても無理な力が接合部に集中して壊れないようにするための工事です。実は通常の状態でもエキスパンジョンから雨漏りすることが多いため、今回はエキスパンジョンの下に樋を作って防水のコーキングを打ち、その上に防水シートを巻き、さらにエキスパンジョンを設置した周りに防水コーキングを打つという、3重・4重の雨漏り対策を行いました。エキスパンジョンを取り付ける職人さんからは「そこまでやるの?」と驚かれましたけどね(笑)。お客様に満足していただくために、できる限りのことはしたいというのが、私の考えです。

増設は新築とは違う配慮が必要だと聞きましたが。

クリニックの部分は工事期間中も外来受付していますから、大勢の患者さんがいらっしゃいます。新築部分に解放部があるため、そこからホコリ等が既設のエリアにいかないように配慮しながら、作業を行いました。また、工事の音が筒抜けになるため、電動工具を使うと音や振動でレントゲン室や超音波診断装置に影響が出る可能性があります。そこで、こうした作業を診療時間外に行うように、段取りを組んで仕事を進めていきました。

また、鉄骨に胴縁(壁の板張りやボード張りなどを受けるための下地部材)を付ける時、図面通りにしようと思うと既設の鉄骨に当たってしまうため、現場で胴縁を切断加工して納めました。増築では、既設に合わせて現場で調整しなければいけないことがよくあります。そうしたトラブルをできる限り防ぐために、事前に1ミリ単位で寸法をきちんと測りました。品質にこだわると、手間も時間もかかりますが、そこを惜しまないところが、当社のやり方です。

職人さんに対して、気を使った点はありますか?

工期が短かったので、2階で「内装」と「造作」の職人さんが同時に作業を進めないといけないケースが出てしまいました。道具や材料を置く場所など、どちらにも広いスペースを確保したいのですが、状況を説明して「やりにくいとは思いますがよろしくお願いします」と丁寧にお願いしました。どちらの職人さんも快く理解してくれて、トラブル無く進めることができて、良かったです。大宗建設には長いお付き合いの職人さんが多いので、きちんと説明をしてお願いをすれば、対応していただけます。

今後の目標は?

1級建築施工管理技士と二級建築士の資格を取ったので、次は一級建築士取得を目指します。スケジュール表を作って、勉強の時間を取るようにしています。一級建築士を取得すれば、もっと大きな現場を任せてもらえるようになるでしょう。現場監督を3人くらい使って仕事を進めていくような大きな現場を仕切ってみたいですね。

また、今回の仕事では、施主様と打ち合わせをする機会が多くありました。当社には営業部署がないため、私たちがいい仕事をすることが新しい仕事につながっていきます。質の高い建物を造ることはもちろんですが、お客様としっかりお話ができて、信頼してもらえる存在になるのが、今の目標です。

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